真々田農園ツアー(後編)

7.規格外で勝負できる力

真々田農場の取引先は、青果市場・卸売業者だけでなく、
小売店・レストラン・個人のお客様までと広範囲におよびます。
小売店には、Food Discoveryグループ(V&F協会も属している)の1つ、
エフ・アグリシステムズが運営する野菜ソムリエの店エフが含まれています。

取引先にレストランがあるのは、飛び込みで営業をしたのがきっかけ。
真々田さんは、農家に嫁ぐ前は、イギリスで食品関係の商社にお勤めでした。その経験が活きたのでしょう。
真々田さんの野菜の美味しさが口コミで伝わり、
今では約30店舗のレストランに野菜を販売しています。

レストランは、市場でなかなか入手困難な野菜を求めてきます。
例えば、「花丸きゅうり(花のついた長さ3cmくらいの幼果。刺身のつまなどに使う)」や、
極太きゅうり。枝付きトマトなど。
料理を華やかに引き立てる野菜。もちろん味も良くなければなりません。
そうでないと買って貰えず返品されてしまいます。

また、レストランが要求する野菜は規格外のものが多く、
たとえ返品されても青果市場に出荷できません。だから、
「いかにその要求に応えていくか」が大きな課題になっています。

営業活動を通じて顧客のニーズを把握し、
  その難題を克服して期待に応え続けられる力。

これが、顧客から信頼されている理由だと思います。



8.止められない、止まらない♪

最後は、真々田農園の皆さんを交えた昼食会。
テーブルには、採り立て野菜のサラダ・自家製漬物・おにぎり・お味噌汁が並びます。
特に好評だったのは、カブの漬物とお味噌汁。
真々田農園では自家製の味噌も販売。
「もし在庫があるなら、是非!」と数人の方々が購入していました。

私は皆さんの話を聞きながら、ずっと食べ続けていました。私が食べたのは、直径30cmくらいのお皿に盛られた
サラダの7~8割の量、おにぎり2個、味噌汁2杯、漬物少々(←本当に??/笑)。食べすぎですかね~?
「こんなに鮮度の高い野菜を食べる機会は、滅多にない!」と思ったら、手と口が止まらなくなりました。
そんな私を見ていた真々田さんに、
「隣のテーブルにあるサラダもどうぞ♪」と言われてしまいました…(^^;

天の声:「おぬしは、遠慮というものを知らぬのか?」

私:「はい♪」



9.『インターナショナル』な農園

真々田さんは、“インターナショナルホテルマネジメント”という資格をお持ちです。
これは、“国際ホテルが開業できる”資格。
「いつか、この農園の一角に国際ホテルが開けたら…」という夢があります。
もし実現したら、どんなホテルになるんでしょう? 夢が膨らみます♪

“美味しいもの・安全なものを食べたい”というのは、みんな同じ。
その気持ちを大事にしている真々田さん。
これからも夫婦二人三脚で美味しい野菜を作り続けてください!!

L:mamada_l M:mamada_m

N:mamada_n O:mamada_o P:mamada_p


■写真L:トマトの実は、雨がかかると割れてしまう。
      できるだけ雨がかからないよう“雨よけ”がしてある。
■写真M:水なすは、葉が果実に触れて擦れると傷になってしまう。
      そうならないように、そして、日光が平均してあたるように
     余分な葉を取り除く。
■写真N:私が黙々と食べていたサラダ。
     真々田さんお手製ドレッシングも◎でした♪
■写真O:今日のお土産。“やわらかみず菜”と“サラダほうれんそう”
■写真P:枝豆(まま茶豆)畑の前で。満面の笑みの真々田さん。



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真々田農園ツアー(中編)

5.コールドチェーン

納屋のそばに大きな冷蔵庫がありました。
真々田農園では、収穫した野菜をその日に出荷しています。
だから、冷蔵庫は不要なのでは?
いえいえ。これは、野菜を保存しておくものではなく、収穫した野菜を
すぐに冷やして(予冷)、鮮度を保つ為のものだそうです。
野菜は収穫後も呼吸を続けています。
根や葉から栄養・水分を補給できなくなった青果物は、呼吸をする為に、残っている栄養分を使ってしまい、
うまみ・鮮度が落ちてしまいます。
収穫後すぐに冷やして野菜の呼吸を止め、このままの状態で小売店(飲食店)まで運べば、鮮度落ちが防げます。
生鮮食料品を生産地から消費地まで低温のまま輸送して、
鮮度を保つシステムを“コールドチェーン”といいます。

この仕組みがすべての市場で確立すれば、
私達は、鮮度の高い野菜をもっとたくさん食べられるようになるでしょう。



6.ままだくんの野菜たち

いよいよ畑へ。
真々田さんの手には、井戸水を汲んだ青いバケツ。
何をするんでしょう?

これは、野菜を洗うためのもの。
真々田さんは、私達に採りたての野菜をご馳走しようとしていたのです♪ \(^о^)/
以下、食べた野菜の感想をメモ風に書きます。

【きゅうり】
手渡されたきゅうりを3つに分けようとグッと力を入れる。
「痛い!!」
よく見ると、皮の周りのトゲがピンと立っている。新鮮な証拠です。
トゲに気をつけながらゆっくり力を入れると、パキッと折れる。いい音♪
食べてみると、あまり水っぽくなく、普通のものより味が濃い。
実がしっかりつまっています。

【小松菜】
市場に出せる基準の大きさに育つ前に収穫し、
契約しているレストラン・販売店に“サラダ用”として出荷される。
普通のものより筋っぽくない。そして、苦味が少なく優しい味。
生食するなら、このくらいの柔らかさがいい。とても食べやすい小松菜です。

F.mamada_f G.mamada_g H.mamada_h

■写真F:小松菜のハウス。柔らかい葉がじゅうたんのように並ぶ。
■写真G:高さ5cmほどの“赤ちゃん”小松菜。
      この大きさのものも、レストランからの需要がある。
■写真H:左がみず菜。右がサラダほうれん草。
     みず菜も葉が若く柔らかいうちに収穫。
     先ほど(写真F)の小松菜・やわらかみず菜・
     サラダほうれん草を交ぜ合わせて、
     “季節のベビーサラダミックス”として販売している。


【ミニキャロット】
カリッとした食感。人参の香りが豊か。
私は、この葉を持ち帰って味噌汁に入れて食べました。
食感は、「筋っぽくなく苦味の少ない春菊。人参の香り付き」といった感じでしょうか。

【カブ(ままだカブ)】
なんと、一人一株配られる。
初めてですよ、丸かじりでカブを食べるなんて…(^^;
「こういう経験は、ここでしか出来ない!」と思って挑戦!!
噛んだ瞬間、汁がジュワッと出てくる。とてもみずみずしい。
そして、噛み続けると甘みがほんのり。

そう。真々田さんが作る野菜は、
野菜本来の味がしっかりとついているんです。


I.mamada_i J.mamada_j K.mamada_k

■写真I:葉の美味しさも味わえた“ミニキャロット”。
■写真J:ズシッとした重さを感じる“ままだカブ”。
■写真K:「えっ! 一人一個!?」「食べられるかしら?」 なんて言いながら皆さん全員完食です♪


≪追伸≫
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真々田農園ツアー(前編)

1.笑顔で出迎え♪

6月3日9時34分、埼玉高速鉄道「浦和美園」駅に到着。
ここは、“浦和レッズ”の本拠地“埼玉スタジアム”の最寄駅。
でも、サッカーの試合を見に来たのではありません。
V&F協会主催のクラブ活動で“真々田農園”を見学しにやって来たのです。
参加者は、V&F協会の方を含めて15人くらい。
駅から路線バスに乗り約5分。“尾ヶ崎”のバス停で、
真々田農園の奥様・真々田佐代子さんが私達を笑顔で迎えて下さいました。
真々田さんちの農園ツアー。はじまり、はじまり~♪



2.農薬に頼らない意味

まずは、水田から。田んぼの苗は、まだ小さい感じがします。
今年の田植えの時期(5月)は、雨の日が多かったので、田植えの時期が少し遅れたからだそうです。

真々田さんのお米は、無農薬栽培。除草剤も一切使わず、雑草は手で取っています。
密植せず、隙間をあけて植える事で、害虫の繁殖を防止。
収穫高を減らしてもいいから、品質を保つことを重視しています。
他の作物で農薬を使う場合でも、法定の希釈倍率よりさらに薄めて使用。
例えば、希釈倍率1000倍の農薬なら、1500~2000倍に薄めるというように。

できるだけ農薬に頼らない農業をしているのは、
農薬を使わない方が土の健康を保てるから、そして、食の安全性を考えての事。

「食べるものだから、安全なものを作っていきたい」という意識を常に持っておられます。

今年作ってるのは、“コシヒカリ”と“もち米”。もち米は、ほとんどが自家消費。480年間農業を営んでいる真々田家。
当然親戚も多いし、近所の行事も多い。
行事の度にお客様に料理を振舞っているうちに、水田1枚分のもち米が無くなってしまう
そうです。それだけたくさんの人々の料理を作らなければならない農家のお嫁さんは、本当に大変だと思います。

A.mamada_a B.mamada_b

■写真A:真々田さんの水田。植えたのはご主人。綺麗に揃っています。
      血液型がA型というのがよく分かります♪
      水田の水管理は真々田家のお爺さんが担当。
      水量が少ないように感じますが、
      美味しいお米を作るためにお爺さんが“長年の感”で調整して
      いるんだそうです。

■写真B:稲の苗床。順調に生育しなかったり、害虫(根切り虫etc.)の
     被害にあった時のために、余分に育ててある。
     すぐに植え直せるように、水田の一角にもまとめて
     植えてありました。余った苗は、堆肥作りに利用。
     この写真の方が、真々田さんです。



3.微生物の力

水田を見学した後、真々田さんの家へ。庭には、山積みのワラがありました。
このワラは、栽培中の作物の地温を上げる為に地面に敷いたり、堆肥作りに使うそうです。
真々田農園で使う堆肥は、4年間熟成させてつくったもの。
山積みのワラに石灰、魚かす、家畜糞etc.を混ぜて、微生物に分解させる。そのブレンド割合は、内緒♪
4年の歳月を経て熟成が進み、カサが減ってきた頃、真々田家秘伝の土が出来上がります。

周りを見渡すと、ワラの山は4つありました。それは、年ごとに分けられた“ワラの山”。
時間が経つにつれワラが土に分解されていく過程がよく分かります。
4年目の山を見てビックリ。 「本当に土になってる!!」
これだけの量のワラを土に分解してしまう微生物の力は凄い!
“生物は土に還る”というのは本当なんだなと改めて実感しました。



C.mamada_c D.mamada_d

■写真C:堆肥作りの為に山積みされたワラ。これを発酵させ
     4年間熟成させると、写真Dのようになります。
      
■写真D:手前にある土の山が、4年かけて発酵したもの。
     ちなみに、ビニールハウスの手前にあるワラは、
     2年目のもの。微生物パワー、恐るべし!!



4.魅惑の花オクラ

熟成2年目のワラの向こう側にあるビニールハウスの中では、オクラがすくすく育っていました。
真々田農園では、島オクラ、赤オクラ、そして、花オクラを栽培しています。
花オクラは、実ではなく花びらを食べます。花はハイビスカスのよう。
開花後2時間で萎れてしまうので、そのわずかな時間に収穫しなければなりません。
また、保存がきかないので、収穫量は不安定。なかなか目にする機会がありません。
食べると、普通のオクラと同じような粘りとほんのりとした甘さがあるそうです。一度食べてみたい♪


E.mamada_e

■写真E:左の苗が“島オクラ”。右の赤い茎の苗が“赤オクラ”。
      苗の隙間から見えるのは電熱線。これで地温を温める。


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筆者より

ここは、私の食関連レポートの公開書庫。野菜・果物、素敵なレストラン&カフェ、スポーツ栄養学etc.について、私自身が、「将来、もう一度読み返したい」と思えるような文章を書けたときに掲載しています。
更新頻度は、年に数回程度になると思いますが、気が向いた時に遊びに来ていただければ幸いです。

プロフィール

平田 実

Author:平田 実
日本野菜ソムリエ協会認定
野菜ソムリエプロ (中級・緑)
中小企業診断士

子供の頃はかなりの偏食。「サラダを食べなさい、なんて言う人は鬼!!」だと思っていました。
それが今では野菜ソムリエ。人生、何が起こるか分からないものです。

四季折々の素材の味とハーモニーを楽しんだり、食に携わる人達と交流ができたり。好き嫌いを減らして色んなものが食べられるようになる楽しさを多くの人達に感じて欲しいと考えています。

【facebook】
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【Twitter】
@HenoruChan

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