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実るプロジェクトvol.8

遅くなってしまいましたが、8月に参加したVMC講座、「実るプロジェクトvol.8」の内容です。

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日時:平成20年8月9日(土) 16:00~18:00
会場:協会本部渋谷第一教室

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 実るプロジェクトは、
「野菜ソムリエの資格が仕事に結びつくように!」
という思いから生まれた講座。調理デモと食育の話で構成され、
私たち野菜ソムリエが資格を活かす際のヒントが散りばめられています。

 料理講師として28年間教壇に立ち、フードコーディネーターとして
も活躍されている田中先生のお話はとても楽しくて魅力的。
今回で8回目を迎える人気講座になりました。

 今回のテーマは、アジア料理(タイ・ベトナム系)。
なんと田中先生は、1泊3日(出国:土曜午後、帰国:月曜朝)でタイへ行き、
滞在中は色々な店で料理を食べまくるツアーを年に数回決行するほどアジア料理が大好き。
タイ・ベトナム料理のレストランの開店をプロデュースした経験もお持ちです。
先生の携帯サイトにアジア料理のレシピがたくさん載っている理由が分かりました。

 田中先生のアジア料理に対する愛は、調理デモ中にも感じられました。
タイ・ベトナムでの経験や食材や調味料etc.のお話をされる時、情熱が溢れているのです。

 特にそう思ったのは、パクチーの話をされた時。
パクチーは、シャンツァイ(香菜)・コリアンダーとも呼ばれるハーブ。
特有の香りが非常に強く、苦手な方も多いです。
今回の参加者にパクチーが苦手な人いない事が分かると、田中先生はこうおっしゃいました。

 「そうかぁ~、嬉しいなぁ。
     パクチーが好きと言われると友達に見えてくる♪」



【本日のメニュー】

▼ヤムヌア(牛肉のタイ風サラダ)

実vol.8

 スイートチリソースを使用した甘辛ドレッシングが素材を引き立てています。
パクチー(シャンツァイ)の香りが鮮烈。牛肉は、贅沢にも飛騨牛でした。


▼ゴイ・クン(生春巻き)

実vol.8

 先生に「失敗しないライスペーパーの戻し方」を教えていただき、
参加者全員自分で食べる分は自分で巻きました。
私は生春巻きを作るのは初めてでしたが、考えていたより上手く出来て一安心。
日本では、甘酢ソースがよく使われますが、現地ではピーナッツダレが主流だそうです。


▼タイレッドカレー

実vol.8

 唐辛子の辛みとココナッツの甘み、豊かなハーブの香りが絶妙にマッチ。
ジャスミンライスと日本米を1:2の割合で炊いたご飯から立つ甘い香りもエスニック感を醸し出しています。


▼ナスのはちみつ煮

実vol.8

 野菜のデザートをと考えてナスを選択。
オレンジの果皮の香り豊かなリキュール「コアントロー」を加えて大人の味に。
アクが少なく柔らかい赤なすを使用しているので、下に敷いたスポンジケーキとの相性も良好。




【食育の話】
 後半は、「食育のTV番組制作の流れ」と「家庭料理の重要性」について軽く触れました。

 実際にTV番組に出演したり番組の制作会議に参加されている田中先生が、
良い番組作りをする上で重要と考えるのは、「リサーチ」。
 単に文献やネットで調べるだけでなく、実際に生産者や食品加工業者等、当事者にお会いして話を聞き、
それを活かせるかどうかで番組の質が決まるそうです。

 また、田中先生は食育講義を大人向けに限定しています。それは、
「子供が健全な食習慣や味覚を形成できるかは親次第」
と考えているからです。

 子供に何をどう食べさせるかは、実質的に親が決めています。
子供は、親が与えたもの信じて口にしている事からも、親の責任の重さがうかがえます。

 例えば、子供が化学調味料や食品添加物の味に慣れてしまうと濃い味つけを好むようになり、
大人になった後で生活習慣病になる可能性が高まってしまいます。

 田中先生によると、子供の味覚は8歳まで、免疫力は16歳まで、骨の形成は20歳までに決まるそうです。
また、太りやすい体質になるかどうかも子供の頃の食生活で決まるそうです。
 子供が長い人生を健康でいられるように、親は子供にできる限り素材本来の味を体験させ、
正常な味覚を形成させるよう努力して欲しい。
そして、親と子供が一緒に台所に立ち、
親が家族のために愛情を込めて料理を作っているという思いを子供に体感させる。
それによって、子供は料理の味と共に親の愛情も受け継いでいき、体とともに心も成長させていくだろう。

「家庭料理を伝承していく大切さをこれからも伝えていきたい。」

先生はそう考えて日々活動していらっしゃいます。



【さて、これからの実るプロジェクトは?】
 今回の実るプロジェクトは、予定時間を30分オーバーしたにもかかわらず、
食育の話が十分にできずに終わってしまいました。
しかし、今日の続きは、次回以降改めてしてくださる事が決定!!

 また、「先生のレシピ本の写真撮影をしたカメラマンを招待して、
料理を美味しく見せる撮影法をテーマにした講座をやろう」とか、
「田中先生と行くタイ・バンコクを巡る旅を企画して欲しい」いう案も浮上しました。
さて、実現するでしょうか?

 今後の実るプロジェクトから目が離せなくなりそうです。

P.S. もし、タイ・ベトナムツアーが企画されたら、参加します!
           (でも、1泊3日だけは勘弁してください…)☆



【講義を終えて】
講義を通じて感じたのは、田中先生の

「アジア料理、好きだーー!!」 という想い。

料理の素材・調味料の話はもちろん、タイ・ベトナムで経験されたことを楽しそうに話す田中先生。
この様子を見ていて、私も楽しくなりました。まさに、

       「愛だろ、愛!!」 でした(笑)。

 今回の食育の話は、時間の都合上簡単に触れただけでした。
でも、配布資料を見るとvol.6の内容に近いと感じたので、
その内容から田中先生が強調していた『家庭料理の重要性』をピックアップして構成しました。
今回の内容は、次の機会にじっくりとお聞きしたいです。

田中先生は、食育の話が以前話した内容とかぶる事を申し訳なく考えているようですが、
私はそう思っていません。
田中先生の話の構成(ex.どんなタイミングで何を話すのか? 何をどのように説明するのか?)、
そして、聞く者を惹きつける話術はとても勉強になるからです。


「(以前に見た)生姜のみじん切りが見たい!」というリクエストに、
その方のテーブルに行って実演してくださいました。
サービス精神旺盛な田中先生の楽しい講座。これからも参加し続けたいと思います。

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【編集後記】実るプロジェクトvol.5&6

前回(調理編)からの続きです♪
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私の(もちろん皆も♪)大好きな
           『実るプロジェクト』♪♪(^▽^)


野菜ソムリエの資格が仕事に結びつくようにしたい!!
M継さんの熱い思いに田中先生が動かされて、『実るプロジェクト』は生まれました。
「この講座に継続的に参加すれば、
野菜の基本的な料理や食育の話についてある程度不自由しなくなる」のを目標として内容が構成されています。
今や大人気講座になりました。

私は7回すべてに参加しているのですが、その中でも、vol.5は私にとってとても大事な回でした。
それは、vol.5が開催された去年の9月いっぱいで、
この企画を立ち上げたM継さんが出産の為退職する事が決まっていたからです。


私がめでたくジュニアの資格を取ってVMCに参加した時から、そこにはM継さんがいました。
M継さんはN川さんと一緒に東京のVMC講座の企画・運営をしていました。
M継さんの明るいキャラは、いつも皆に元気を与えていました。

私が協会HPのVMCレポートを書くようになったのもM継さんがきっかけです。
VMCの申し込みメールに、眞々田農園ツアーの感想を自分のblogに書いた事を知らせたら、気にいっていただいて、

『協会のHPに載せますので今のブログのレポートをA4にまとめられますか?
ダイジェスト版みたいな感じになりますか?
     …………(中略)…………
あとは、文体を協会のイメージで硬くしていただいて。。。(笑)』

という返事が来ました。その時は、

『えっ、これ以上硬くするの???』 と思いました。
(私としては、硬く書いたつもりだったんですが…(^^;;)

そして、再構成するのに3週間かかりました。
(自分のblogでは1週間で書き上げたというのに…)

こうして初VMCレポートは完成!!
あれから5本書くようになるとは、この時は思いませんでした。


そして、
私がマイスターになれたのもM継さんの存在が大きいです。
勉強に行き詰まってしまい、『無理してマイスターになる必要もないなぁ~』と考えたことがありました。
でも、VMCに参加する度に、M継さんから期待されているのを感じて、
『頑張らないと!!』とモチベーションをアップさせました。

合格したのは去年の7月。合格直後に参加したVMCで、M継さんは、
マイスターの人だけが受付で渡される“ワークショップ参加証明書”を私が貰ってるのを見つけて、
合格した事を喜んでくれました。
嬉しかった♪♪(^-^)
M継さんの退職前に合格できて、本当によかったです。

『実るvol.5』のレポートを事前に依頼されていた私。
講座の冒頭で、M継さんが、「この講座を残せて良かった」と感慨深げに話しているのを聞いて、

『よし。今回のレポートは、
今までの実るプロジェクトの集大成にしよう!!』


と心に決めました。今まで渡された資料を全て読み返して
田中先生の思いがよく表れている言葉を抜き出し、
vol.5の内容を軸に、vol.1~4の内容を編みこむ形で書き上げました。

(ちょっと気合が入りすぎて、オリーブオイルのくだりが長すぎる気がしますが…(^^;;;)



私はVMCレポートを書く時、
『語り手の言葉をどう表現したら生き生きと伝えられるか?』を常に考えています。

語り手が発する言葉を活かす素材を集めて、自分なりに組み上げていく作業。
果たしてそれが上手くできているか?
書き上げた後、いつも不安になります。

だから、vol.6に参加した時、田中先生に喜んでいただけて
本当に安心したし、嬉しかったです♪♪


私が“実るプロジェクト”に参加して一番の収穫は、
人に伝える楽しさを学べた事です。
(いつもとても楽しそうにしてる先生は、魅力的です♪)
あとは、思い立ったら行動してみるかな?
(これ、なかなかできないんですよねぇ~(^^ゞ)

そして、田中先生は、
『もし、私が偉い人になれたら、こういう人でありたい!!』
と考える理想的な方の一人です。

「何でも聞いてよ♪」という感じで
「本当にいいの!?」と思うくらい自分の知識を周囲に与える。
そして、話が聞きやすく、声を掛けやすい雰囲気を持つ。
これは、心の広さと自分に自信が無ければ、
絶対できない事だと思います。

例えて言うなら、中華の達人が、チャーハンの作り方を秘伝も含めて教えてしまうようなもの。
なぜそれが出来るのか? それは、

自分と同じくらいの腕がなければ、
同じ味にはならないからです。


その域に達するくらいに頑張ろう!! p(^-^)q
一歩一歩着実に。

実るプロジェクトvol.5 [協会HP・VMCレポート]

実るプロジェクトvol.6
[食育編(前編)] [調理編(後編)] [編集後記]

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実るプロジェクトvol.6 ~大根&食育を伝える~ (調理編)

前回(食育編)の続きです♪
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大根の品種の説明を簡単にした後に始まった調理デモ。
今回も美味しい料理、そして、ちょっとした料理のコツのお話が満載でした。
私は、田中先生の講義を聞くようになってから、“下ごしらえ”の重要性を感じるようになりました。
料理の味の向上に直結するひと手間をLIVEで見て、学び、実際に食べて感じる体験は、
なかなか出来ないので貴重です。


今回は昼と夜の2回に分けて開催されたんですが、
「2回とも参加したい♪」と思う程内容が濃く、楽しい講座でした。
メニューと印象に残った事をメモ風にまとめます。


【本日のメニュー】
▼大根のおいしい味噌おでん
     味噌と牛肉の旨みが凝縮しただし汁でじっくり煮込んだ逸品。
     あまり赤味噌に慣れていない関東の人の為に、赤味噌と白味噌を1:1の割合で使用。マイルドな味わい。

実vol.6


▼大根の皮の柚庵漬け
     煮物を作る際に剥いた皮も活かした浅漬け。もちろん、普通に大根を使ってもOK。
     (下の写真の赤みがかった大根の品種:のとむすめ)

実vol.6


▼大根ご飯
     大根の炊き込みご飯の上に、きんぴら風に味付けした大根の葉をのせて。
     これが良いアクセントになっていました。(食べるのに夢中で、写真を撮り忘れました…(^^;;;) 

▼揚げ大根のかにあんかけ
     少々苦味がある黒大根を揚げて苦味を和らげ、生姜と柚子の香り豊かな庵の中へ。
     揚げだし豆腐のイメージ。

実vol.6


▼大根とホタテのマヨネーズ和え
     塩もみした大根とホタテをマヨネーズで和える。田中先生の母の味。

実vol.6


【料理の一口メモ】
  ▼大根を煮炊きする際、皮を厚く剥くのはなぜか?
      皮の内側(3~4mm)に網目状のスジがあり、それを取り除かないと食べる際に箸が引っかかるため。
      サラダの場合は問題なし。
  ▼鰹節の上手な削り方
      あらかじめ鰹節を火であぶってから削ると粉になりにくい。
  ▼基本調味料は、添加物等の入ってないものを使う。
      基本調味料は、料理の味のベースになるので重要。〇〇風調味料は使わない。
      料理酒は塩の入ってないものを。2級酒でOK。
  ▼電磁調理器で煮物を作る際の注意点
      汁が対流しづらいので、鍋底についた具材が焦げ付きやすい。
      焦げ付きを防ぐには、弱火にして鍋を少しずつずらす。
      沸騰するまでは、強火にして鍋を前後に振り続ける。
  ▼水溶き片栗粉でつけたとろみは、3~4時間でほぐれてくる。
      入れるのはできるだけ食べる間際に。


【自作味噌おでんの出来は!?】
今回の調理デモで一番楽しみにしていたのは、『味噌おでんの作り方を覚える』事♪

美味しく作るために、
金沢から源助大根を取り寄せました。
購入先は、昨年9月のVMC講座『加賀野菜を学ぼう』で講師をされた
北形謙太郎先生のお店です → -楽天市場-近江町北形青果

なぜここまでするのか??
それは、X’masのご馳走のするつもりだったからです♪
(X’masに味噌おでん。センスが疑われそうですが…(^^ゞ)

「源助大根を取り寄せるんだから、本格的に作ろう!」と思い、
だしを鰹節(花かつお)と昆布で取りました。なんと初挑戦!!
鰹節を取り除くのに手間取り、ちょっと魚臭くなってしまいましたが、お吸い物でないから良い? (…えっ、ダメ??) 

大根の面取りは、田中先生に教わったとおりにやってみましたが、
私の包丁技術の都合により、
美的に切れませんでした…(^^;;;
まあ、これはそのうちなんとか…(なるかなぁ~??)。

悪戦苦闘しながら、やっとのことで完成!! \(^o^)/
味見をしてみたら、私が作ったとは思えない程いい味♪♪
いやぁ、田中先生のレシピは凄い!!
私でも美味しく出来てしまうんですから♪

もちろん家族にも好評でした。
母には、「今度作る時は大鍋で作ってね」と言われた程です。
リクエストに応えるため、私は元日も味噌おでん作りに励みました。

今年の正月、我が家は
『おせちもいいけど、味噌おでんもね♪』
という展開になりました。

そうそう。忘れてはならないのは、vol.5の時に教わった“なめたけ”。
年越しそば(温)にかけて食べてみました。大正解です。
えのきだけ・ゆず・さきいかのコラボは、侮れません!!


【まとめ】

今回、実るプロジェクトに参加して良かったのは、次の2点。

▼ 先生が以前からよく指摘していた“味覚形成の重要性”の本質が理解できた事
▼ 家族に喜んでもらえるメニューが増えた事 

味覚は食を選択する能力にも影響するんですね。
これは、私にとって新しい発見でした。

現在では多くの食品に化学調味料や食品添加物が使われています。
基本調味料の中にも添加物が含まれているものも増えてきました。
私たち生活者が、このような現状の中で素材本来の自然な味を体感していくには、
意識的に取り組んでいく必要があると思います。

そして、素材の向こう側にある生産者の努力と愛情を感じながら味わえれば最高です。

そしてそして、味噌おでん♪♪
家族に喜んでもらえて本当に嬉しかったです。
姪には、赤味噌の中に大根を入れて煮ただけだと思われていましたが…。

「いや、違うんだな。これは、凄く手間が掛かっててね。
色々と下ごしらえをして。なんとダシは、昆布と鰹節から取って…」
と言おうとしましたが、野暮なので止めておきました。

料理にかけた手間と味の中に、私の愛情を感じる時が、
(いつか、きっと、多分?) やって来る事を信じて。

編集後記へ続く♪


【追記】 2008/01/24 0:25   記事を加筆・再編集

実るプロジェクトvol.6
[食育編(前編)] [調理編(後編)] [編集後記]

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実るプロジェクトvol.6 ~大根&食育を伝える(食育編)~

去年の12/20、毎回とても楽しみにしているVMC講座である『実るプロジェクト』に参加しました。

この講座は、前半は、調理デモを交えて季節野菜のお話。
後半は、食育の話を聞きながら試食を楽しみます。
講師は田中稔先生。
名古屋でフードコーディネーターをされています。

今回のテーマ食材は、『大根』。食育の話は、「野菜ソムリエとして食育をどのように伝えるか、教えるか」です。
講座の概要と感想を“食育編”と“調理編”の2回に分けて書きます。


実vol.6  実vol.6

実vol.6  実vol.6


食育の対象は、食生活や食の安全・文化・しつけに至るまで広い範囲に及びます。
そのため、話す人によって「何を食育と考えるか?」は異なるケースが多いのが実情です。
食育をどのように系統立て、自分の言葉で伝えるかというヒントを先生の体験談を踏まえて教えていただきました。

主な内容は、

■ 「地産地消」と環境問題
■ 伝統野菜を見直そう
■ 子供に対する家庭内での味覚形成の重要性
■ 朝食欠食の危険性
■ 日本の食文化の優位性               etc.です。

この中からいくつか話をピックアップして書きます。



【地産地消】
これは、地域で生産された農産物をその地域で消費する活動を通じて、生活者と農家を結び付ける取り組みです。
この意義は、環境問題と関連付けて説明すると生活者に伝わりやすいそうです。

〓地産地消の長所〓
▼ 輸送に使うエネルギーやコストを節約でき、環境に優しい。
▼ 生活者と農家の双方向のコミュニケーションを通じて、お互いの物理的・心理的距離が縮まる。
▼ 新鮮で味が良い青果物を入手できる。


新鮮な野菜は単に栄養価が高く味が良いだけではありません。
水分量が多く熱伝導が良いため、早く火が通ります。
よって、調理時間が短縮や、加熱による栄養分の損失も最小限に抑える事が可能なんだそうです。

生活者と農家のコミュニケーションが活発になれば、
生活者はどんな人がどのように農産物を作っているかを自分の目で確かめる機会が増えていきます。
農家は、自分の作った農産物を生活者がどう感じているか、
また、どんなものが欲しいかなどを生活者から直接知る事ができます。
これにより、生活者と農家との信頼感や生産者の意欲が高まり、
地域経済の活性化、そして日本の農業を守ることに繋がっていく
であろうと期待されています。

現状では、良質な農産物を生産している農家が近くにいても、地元に供給しているケースは非常に少ないので、
生活者が地場野菜をなかなか入手できないでいます。
また、何らかのこだわりを持って生産する農家は、
生産量が少なかったり、規格外のものもあったりして市場に流しづらいため、
生活者と農家の間を取り持つ人が無いと販売しにくい状況にあります。

生活者と農家、双方の事情を勘案し、両者が良好な関係が築けるよう働きかけたり、
流通を活発化できるよう機能的に結びつける仕組みを提案する事なども、
野菜ソムリエの活躍の場の一つではないか
と田中先生は考えていらっしゃいました。



【なぜ規則正しい食生活が大切か。】
近年、ちょっとした事ですぐキレる子供が増加しています。
この主要な原因の一つとして、子供達が何をどのように食べているか
という「食」に問題があるのではないかと言われています。

私達が快活な毎日を過ごすには、体の機能(特に脳)が活発に働いていなければなりません。
そのためには、

▼ エネルギーを持続的に供給する。その為には、一日三食の規則正しく食事をすること
▼ ビタミン・ミネラルなどの微量栄養素を充分に摂り、栄養素を効率良く利用できるようにすること


が必要です。もちろん、過剰にカロリーを摂取しないという条件付きで。


朝起きて夜寝るという通常の生活リズムで暮らしている場合、
前夜に食物から摂ったエネルギーは、朝10時頃までに使い果たしてしまします。
朝食を食べていないと、この時間から昼食までの間は、エネルギー不足に陥ってしまいます。
朝食を食べない子供は、食べた子供に比べて集中力が無かったり
体調不良を訴える割合が多く、また、テストの結果にも差が出たという調査結果もあるそうです。

また、朝食を抜くなどの不規則な食事を続けると、
1回あたりの食事量と間食が増加し、過食に繋がる可能性があります。

「肥満外来に通う子供には、必ずと言っていいほど同じ条件がある。それは、親が朝ごはんを作らない事。」

これは、田中先生がvol.4の時に肥満外来で栄養指導をしている方が指摘していた事として話された事です。
この事からも、規則正しい食生活が、肥満・生活習慣病の予防に繋がると言えます。

そして、脳のエネルギー源となる糖分(炭水化物)は、穀物を中心に摂取する事が重要です。
穀物に含まれる糖分は、果糖や砂糖と異なりゆっくりと消化吸収されるので、持続的に働くからです。
穀物から持続的なエネルギーを摂取し、バランスの良い食事をすれば、
様々な栄養素を効率よく摂取し使うことができます。
脳や体に十分なエネルギーが行き渡る事で、集中力や体調が向上し、快活な毎日が送れるでしょう。



【家庭料理は、食を選択する能力を育む基本】
田中先生は、家庭料理がいかに大事かというお話をよくされます。
それは、家庭料理が味覚形成のベースになり、食を選択する能力を左右すると考えているからです。

化学調味料や食品添加物の濃い味に慣れてしまうと、
素材本来の味がもの足りなく感じる可能性が指摘されています。
人間は美味しいと感じる食品を積極的に選択していきます。
素材本来の味と化学調味料の味。
どちらを美味しいと感じるかで、将来健康に過ごせるかが決まってしまう可能性もあるのです。

ある研究によると、人間の味覚は8歳までに出来上がると言われています。
この時までに本物の味を体感し、美味しさの基準を正しく持つ必要があります。


また、田中先生は、
「子供の健全な食習慣や味覚形成は、親の責任である」
と考えています。なぜなら、

食事の主たる作り手は親であり、子供ではないから です。

子供に何をどう食べさせるかは、実質的に親が決めています。
子供は、親が与えたものを信じて口にしている事からも、親の責任の重さがうかがえます。
正しい味覚の形成を通じて、必要な栄養素を無意識に選択し、
健康を害する食事を避ける能力は身に付いていくのです。



食材の中には、大人になってから美味しさが分かる素材もあります。
今好きになれるかは気にせず、可能な限り自然な素材から色々な味を体験させることも大事です。

その時は、親が美味しそうに食べるのがポイント。
子供に「いつか食べてみたい!!」と思わせれば、食べられる野菜が増えていくのではないでしょうか。
皆さんも子供の頃に食べられなかった野菜が、
大人になってから食べられるようになった経験はありませんか?


そして、子供は親が自分のために一生懸命作ってくれている事を理解すれば、
料理の味を通じて愛情を受け継ぎ、体とともに心も成長させていきます。
家庭料理は、人間の愛情を感じる感覚を育む役割も担っていると言えます。
これは、味覚とともに大事な感覚だと思います。


【野菜ソムリエとして話すときのポイント】
田中先生が考える野菜ソムリエとして生活者の前で話す時の要点を
講義全体の中からピックアップしてみました。

▼ スキルを上げる為に一番効果があるのは、現場へ行くこと。
      → ex.実際に農作業の経験を積まなければ、なぜ農薬が必要なのかを本当には理解できない。
▼ 体感させると印象に残りやすい。
      → 実物を持参したり食べ比べをしたりするなどを通じて、
        生活者に素材を見て触って舌で感じる体験をさせると効果的。
▼ データは信頼できる情報源を使う。
      → データが間違っていると、話の信憑性自体が揺らぐ。
▼ 自分が持っている以上のものは人に教えることはできない。
      → 継続的な努力が必要。

メニュー開発などで、プロの料理人を一緒に仕事をする機会が多い田中先生。
その際に感じるのは、「プロと同じ道具を使いこなし、プロと同じくらいの技術を持っていなければ、
話を親身に聞いてもらえない」という事だそうです。

「田中先生が今も努力を続けているんだから、我々はさらに頑張らなければいけない」
と身が引き締まる思いがしました。
次回(調理編)へ続く♪


【追記】 2008/01/24 0:15   記事を加筆・再編集

実るプロジェクトvol.6
[食育編(前編)] [調理編(後編)] [編集後記]

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実るプロジェクトvol.5 ~きのこ&オリーブオイル~

野菜ソムリエとして大きく実って欲しいというコンセプトで企画された「実るプロジェクト」。
季節野菜の基本料理の調理デモと食育の話で構成されています。
今回で5回目。講師は、名古屋のクッカリーの授業で大人気の田中先生。シニア講座の講師もされています。
フードコーディネーターとしての様々な経験に裏打ちされたお話は、とても興味深いものです。

今日のテーマ野菜は『きのこ』。食育は『油のお話(オリーブオイルを中心に)』です。
本講座開催前に、『野菜の切り方教室』というオプション講座も開催されました。


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日時:平成19年9月7日(金) 19:00~21:00
講師:田中 稔 先生
会場:協会本部渋谷第一教室

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【切ることは、大切なこと】

 私は“実るプロジェクト”に全て参加しているのですが、「野菜の切り方教室」は初参加でした。
生まれつき不器用な私にとって“避けて通りたい道”でしたが、考えが変わってきたきっかけは、
以前「実るプロジェクト」に参加した時に耳にした田中先生の言葉に感銘を受けたからです。



  「生活者に野菜の魅力を伝えるとき、理屈で何百回説明するよりも
           美味しく調理したものを食べていただいた方が良い。1回で分かってもらえる。」

  「『食べたい!』と思わせる盛り付けは大事。家庭料理ではおろそかになりがちだけど、」
               『どうやって美味しそうに見せるか?』を家族のためにも考えて欲しい。」




田中先生の料理を何度か食べてみて、幸せな気持ちになったり、実際に作ってみたりした私にとって、
これらの言葉は実感が湧くものでした。 「やはり包丁は上手く使えないと…」と考え、思い切って参加しました。


野菜をシャープに切る
ために重要なのは、次の2点。

▼ よく切れる包丁を使う
▼ 包丁を大きく滑らせるようにして切る

そうすれば、細胞を潰さずに切れるので、水分の流失を少なくでき、残った野菜の鮮度も保持しやすくなります。
また、均一な大きさでシャープに切れば、単に食べやすくするだけでなく、
火の通りを均一にでき、栄養的損失を少なくできます。
切る事は、美味しい料理を作る基本になるわけです。

包丁が素材に与える影響を実感したのは、人参を切ったとき。
私の包丁で切った断面と先生のとでは、手触りが全く違いました。私のはザラザラ。先生のはツルツル。
先生の包丁を貸していただき、使ってみると、野菜に包丁が吸い込まれていく感じがしました。
余計な力が要りません。同じ包丁でこんなにも違うのかと思う程の差でした。

今回は2回目の参加者が多かったので、やや高度な飾り切りにも挑戦することになりました。
大根のかつら剥き、かぶの菊花切り、人参のシャット切り(人参のグラッセを作る時の切り方)、
しょうがのみじん切りなど。初参加の私には悪戦苦闘の1時間でしたが、
本を読むだけではイメージが掴めなかった切り方を直接教えていただけたのは、貴重な体験でした。
あとは練習あるのみ!?

田中先生は、参加者全員の包丁を講座の前後に砥いで下さいました。
これは、田中先生が主催する料理教室でも行っているそうです。
先生がいかに切る事を重視しているかが分かります。



【オリーブオイルの話】

オリーブの果実を絞ってろ過しただけで、科学的処理が加えられていないものが、バージンオリーブオイル。
オリーブオイルテイスターによる官能検査と酸度の割合に応じて4段階に等級分けされます。
官能検査で全く欠点がなく、酸度が0.8%以下のものが、
最高級のエクストラバージンオリーブオイル(酸度は鮮度を表します。値が低いほど新鮮)。
精製したオリーブオイルにバージンオイルをブレンドしたものが、普通のオリーブオイルと呼ばれます。

また、オリーブオイルの風味は、品種や土壌、気候、収穫時期、摘み方、搾り方などによって異なります。
香りや味、色は、ワインのようにある一定の言葉で表現するよう定められています
(ex. 色:琥珀色 香り:ベルガモット 味:苦味のあるアーモンドetc.)。


 オリーブオイルが注目され始めたのは、1950年代。
アメリカの研究者によって、地中海地方に伝わる食生活をしている人々には
心臓病や動脈硬化の発症率が少ないことが発見されてから。

 オリーブオイルには、悪玉コレステロールだけを減らすオレイン酸が豊富に含まれています(全体の約75%)。
また、微量ではありますが、抗酸化物質であるビタミンE、β-カロテン、ポリフェノールが含まれています。
オレイン酸にも抗酸化作用があります。
動脈硬化の原因は、体内で活性酸素と悪玉コレステロールが増えることにより発生します。
植物性油脂をオリーブオイル中心に摂り、穀物を主体に野菜・果物を大量に食べる生活習慣は、
動脈硬化予防に効果的であると思われます。
これは、“地中海式ダイエット(食生活)”と呼ばれ、後にフードピラミッドのモデルになったそうです。


世界のオリーブオイル生産量の90%近くは、スペイン・イタリア・ギリシャで占められています。
世界的にイタリア産の需要が多いため、
輸入したオリーブオイルをイタリアでボトリングしたものが“イタリア産”として輸出されている事実があります。
 これでは、収穫からボトリングまでをイタリア国内で行なった“純イタリア産”が圧迫されてしまうという危機感が、
“原産地統制呼称制度(DOP)”の強化に繋がっているようです。
この認定を受けるには、収穫から搾油工場、瓶詰め工場にいたるまで特定の地域で行なわれた事を証明するため、
生産履歴を原料まで遡って証明しなければなりません。
また、厳しい基準を満たしたオイルを瓶詰めする分しかDOPのラベルが発行されないというのは、
日本の有機JASの認定制度と似ています。


 今回は、3種類のオリーブオイルをティスティング。
まず、コップに入ったオリーブオイルを人肌で温めて香りを嗅ぎ(実際は、28度くらいに温めるようです)、
少量を口に含んでオイルに空気を含ませます。ワインと同じ要領です。
口直しにスライスされた林檎とフランスパンを使うのは、面白いと思いました。

 このティスティングを通じて、私は初めてオリーブオイルに辛みと苦味があるのを知りました。
辛みは、オリーブオイルに空気を含ませた時に喉で感じました。これには驚きました
(思わず咳き込んでしまいました)。
また、良質なオリーブオイルは、普及品に比べて油っこくないのがハッキリ分かりました。

 今回は、3つとも成熟した果実から搾った黄色のオイルでした。
機会があったら、早期に収穫された果実を搾った緑色のオイルを試してみたいと思いました。


【楽しいお話&試食】

 今日のメニューは、4品。

▼ きのこのかき揚げ丼
▼ きのこと牛肉の紅葉おろし和え
▼ 自家製なめたけ
▼ きのこペンネのゴルゴンゾーラ

名前を見ると難しそうですが、デモを見ると、料理が得意とは言えない私でも作れそうな感じがします。
これには、「皆さんに家で実際に作って欲しい」という田中先生の願いが託されています。

私が毎回注目しているのは、野菜の下ごしらえと先生のお話。
野菜の知識(切り方・使い方・保存方法・美味しい野菜の情報etc.)や料理のコツが、
たくさん散りばめられているのです。例えば、

▼ なぜ、茶碗蒸しや土瓶蒸しのぎんなんが潰れているのか?
▼ 松茸の選び方や香りを損なわずに焼く方法
▼ サラダに使う野菜をパリッとさせるには?           など、他多数。

時には脱線して、「飲食店ではどんな素材を使っているか?」や厨房機器の話をされたり、
材料の栗を使って“くりせんべい”を作ったり。料理に関する質問にも熱心に答えて下さいました。

試食の時間、先生のお話を聞きながら参加者が黙々と食べていたので、「反応が無い!」と気にされていました。
でも、その必要はありません。間違いなく美味しかったのです。
それは、お皿を見れば分かります。皆さん完食しているではありませんか!

田中先生が持つ豊富な知識と人を引き付ける話術は、魅力的であり、憧れです。
聞き手のニーズに合わせて何をどこまで話すかを上手に取捨選択できるセンスは抜群だと思います。
田中先生のお話は、料理講師を目指す方だけでなく、
野菜ソムリエとして生活者に話す場合にも非常に参考になるのではないでしょうか。


【感銘を受けた言葉】

“実るプロジェクト”への参加を通じて、田中先生の印象に残った言葉がいくつかあります。



   「日本には昔ながらの素晴らしい知恵がたくさんあるのに、
                    それが伝承されないこの世の中が本当に良いのか?」

  「『何故、あの食品は腐らないのか?』『何故変色しないのか?』『何故あんなに安いのか?』
       という素朴な疑問を生活者が持たなければ、良い食品は生まれない。」

   「土環境が良ければ、きゅうりは真っ直ぐ伸びる。
                   環境が良ければちゃんと育つのは、野菜も人間も同じ。」

      「薬ばかりに頼るのではなく、自分の体の免疫力を上げる方法を考えよう。」     など。



『これらの言葉の中に、
現在発生している食の問題を解決するいくつかのヒントが
                    隠されているのだろう。』

購入したての時よりも切れ味が良くなった包丁で調理しながら、そう思うのでした。


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日本ベジタブル&フルーツマイスター協会の公式HPに、
このレポートが掲載されました。

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プロフィール

平田 実

Author:平田 実


日本野菜ソムリエ協会認定
■ 野菜ソムリエ (中級・緑)
■ ジュニア・アスリート
     フードマイスター

 子供の頃はかなりの偏食。
「サラダを食べなさい
   なんて言う人は鬼!!」
そう思ってました。
 それが今では野菜ソムリエ。
人生、何が起こるか分からない
ものです。

 四季折々の素材の味とハーモニーを楽しんだり、食に携わる人達と交流ができたり。
 好き嫌いを減らして色んなものが食べられるようになる楽しさを多くの人達に感じて欲しいと考えています。

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筆者より

ここは、私の食関連レポートの公開書庫。
野菜・果物、素敵なレストラン&カフェ、スポーツ栄養学etc.について、
私自身が、「将来、もう一度読み返したい」と思えるような文章を書けたときに掲載していきます。
更新頻度は、年に数回程度になると思いますが、気が向いた時に遊びに来ていただければ幸いです。

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