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キッチンの衛生について

藤井淳生先生による、『12ヶ月講座』第7回。
今日のテーマは、

  「キッチンの衛生について ~あなたのキッチン大丈夫?~」 
です。


「食中毒の原因の多くは、家庭にある」 
と常々話している先生。

多くの生活者は、食品がどのように生産・加工・流通して
販売されているかについては厳しい目を向けています。
しかし、購入後の食材の管理がおろそかになっている人があまりに多いそうです。
そこで、今回は、家庭での食材の扱い方の注意点を中心に学びました。

また、藤井先生は、微生物に関する知識も豊富という事で、
最近流行している新型インフルエンザについてのお話もありました。
それを、メモ風にまとめていきます。

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日時:平成21年5月12日(火) 19:00~21:00
講師:藤井淳生 先生 (【株】農水産ID)
会場:協会本部渋谷第三教室

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≪調理器具・設備の管理は?≫
食中毒のリスクを低減するには、
リスクになる要因(ハザード)をできる限り取り除かなければなりません。
これが、一般家庭では難しいそうです。

例えば、食品工場では、生肉と野菜の製造工程を分けて、
交錯しないように製造ラインをレイアウトできますが、
家庭の台所では、そうはいかないからです。

なぜ、これが重要かというと、
生肉には、多くの微生物が付着しているから。
肉を切った包丁で野菜を切ると、肉に付着していた微生物が野菜の切り口に付きます。

そのまま食卓に出すのも問題がありますが、
もし、余った分をラップに包み冷蔵庫で保管したらどうなるか?
もちろん、微生物は増殖。食中毒のリスクが高まります。



≪ポテトサラダ≫
家庭の台所と食品工場の衛生環境・管理の良否が現れる総菜に、ポテトサラダがあります。

一般家庭で作ってから6時間後のポテトサラダと、食品工場で作ってから48時間後のポテトサラダを比べると、
食品工場のポテトサラダの方が微生物が少ないそうです。
作った直後の微生物の数が、家庭で作ったの方が多いので、勝負にならないんだとか。
これは、食品工場の方が、調理場の環境や調理器具、設備の衛生管理が徹底しているからでしょう。

私たちは、冷蔵庫を過信せず、作った料理は早めに食べきれるように工夫しなければいけませんね。



≪その他の家庭での食品管理のポイント≫

▼食品に潜むハザード
  ‥揚げ物に使う油は、こまめに取り換えるべき。
    酸化した古い油で調理したものを食べて、私たちは気付かないうちにお腹をこわしている。

▼冷凍食品の管理は?
  ‥スーパーに並べてある状態だけでなく、購入後、どのように家まで持ち帰っているかを意識しているか?

▼冷蔵庫の使い方は?
  ‥家庭の冷蔵庫は、ほぼ100%カビで汚染されている。
   定期的に清掃を(製氷機が盲点)。

▼加工食品の開封後、適切に管理しているか?
   ‥開封後の賞味・消費期限の表示が無いのは、人によって食品の扱い方が異なるから。

▼洗剤・殺虫剤の選択・管理は?
   ‥噴霧型殺虫剤の食器・食材の汚染に注意。
    家庭用殺虫剤の薬剤の濃度は農薬より濃い場合あり。


普段、意識していない事が多いのではないでしょうか?
私は、揚げ油と冷蔵庫をチェックしないといけないなと思いました。

重要なのは、
購入した食材をそれ以上汚染させずに、
家族の口に入れないようにするにはどうしたらいいかを考えていくこと
だそうです。



≪ウィルスは生物?≫
最後に、新型インフルエンザについて。

研究者による生物の条件は、以下の2つ。

▼自己増殖できる
▼自分自身でエネルギーを作り出し、生命活動ができる

この条件に当てはまるものが生物に分類されるんですが、
ウィルスは、これに当てはまらないんだそうです。

ウィルスは、動物に付着して、生きた細胞(宿主)の中に
自分のDNAを注入して増殖。生命エネルギーも宿主に依存。

よって、宿主がいない限り増殖できないものなので、生物とは言えないんだそうです。
微生物でも菌でもない、生物と無生物の境目に位置する存在。
なんとも不思議なものです。


現在、空港の検疫を強化して水際でくいとめようとしていますが、
国内への侵入を防ぐのは、不可能だそうです。
検疫の強化は、国民の不安を和らげる意味しかないようです。
それよりも、我々ができる重要なことは、

万が一感染したときに倒れないようにしておく事を重視すること。

手洗いやうがいも重要ですが、
普段からバランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、
免疫力を高める努力をしていこうとのことでした。



≪講座を終えて≫
藤井先生は、大学時代に微生物の研究をされてたそうで、
微生物の話をしだすと、生き生きとしているのが印象的でした。

目が輝いているんです!!

いつの日か、微生物&ウィルスの話をじっくり聞いてみたいと思いました。

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農薬の毒性について

藤井淳生先生による、『12ヶ月講座』第3回。
今日のテーマは、農薬の毒性です。
藤井先生は、有機JASや生産情報公表JASの認定機関に所属し、
食品工場へ立ち入り衛生管理の仕事だけでなく、農業も営んでいます。

農薬を使用する立場と農薬の管理・使用状況を評価する立場にある先生は、
農薬をどのように考えていらっしゃるのでしょうか?

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日時:平成21年1月19日(土) 13:00~15:00
講師:藤井淳生 先生 (【株】農水産ID)
会場:協会本部渋谷第二教室

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 お話は、農薬を含む化学物質が国によってどう管理されているかから始まり、
農薬の安全性の審査、農薬の残留基準の設定方法、毒性の考え方、農薬の功罪と続いていきました。

 まず、人の健康や生態系に有害なおそれがある化学物質を管理する法律についての説明です。

【化学物質審査規制法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)】
  化学物質による環境汚染を防止するため、
新規の化学物質の製造・輸入に際し事前審査制度を設けるとともに、
化学物質の製造・輸入・使用等について必要な規制を行うのが目的。
 食用油にポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入したことにより、
皮膚病・肝硬変などの健康被害を受けた認定患者が約2万人も発生した
「カネミ油症事件」を契機に、昭和48(1973)年に制定。

【化学物質排出把握管理促進法】
  事業者による特定化学物質の自主的な管理を促進し、
環境保全上の支障を未然に防止することを目的とした法律。
PRTR制度とMSDS制度が柱。

≪PRTR制度 : Pollutant Release and Transfer Resister (環境汚染物質排出移動登録)≫
  事業者は、特定化学物質の排出量・移動量を把握し、データを国へ届け出る。
国はデータを集計して公表する。
また、国民からの個別事業者別のデータの開示請求にも応じる。
これにより、事業者自身は化学物質管理の評価・改善が行え、
国民は事業者の化学物質管理状況への理解を深めることが期待される。

≪MSDS制度 : Material Safety Data Sheet (化学物質等安全データシート)≫
 対象化学物質またはそれを含有する製品を他の事業者に譲渡・提供する際には、
その化学物質の性状・取扱に関する情報(MSDS)を事前に提供することを義務づける制度。
これにより、事業者による化学物質の適切な管理の改善を促進するのが目的。


続いて、農薬の管理・監視体制についての説明です。

【農薬取締法】
 農薬について登録制度を設け、販売・使用の規制などを行う。
これにより、農薬の品質適正化と安全かつ適正な使用の確保を図り、
農業生産の安定と国民の健康を保護するとともに、国民の生活環境の保全に寄与することが目的。

農薬の定義や登録に関する手順、農薬の製造・販売・輸入者の義務、
農薬の使用者の責務について定めています。

 農薬を登録申請時に提出が必要な毒性等の試験成績は、毒性試験(ex.発ガン性、催奇形性)だけでなく、
動植物の体内でどのように代謝されるか、土壌・水中でどのように分解されるか、
環境への影響、そして、農作物や土壌にどの程度残留するかなども審査されます。
審査により安全性が確認され、登録された農薬のみ製造・輸入・販売・使用できます。

【農薬取締法に基づく農薬の定義】
 農薬には、化学物質だけでなく、
植物によって生成される植物ホルモン、生物などもあります。

▼ 農作物を害する動植物・ウィルスの防除に使用する薬剤
  (ex.殺虫剤・除草剤・殺菌剤)
▼ 農作物の生理機能の増進・抑制に使用される薬剤
  (ex.植物成長調整剤)
    ⇒ ex. 種なしブドウ栽培に利用されるジベレリン。
▼ 病害虫防除目的で使用される天敵・微生物も農薬とみなす。
  生物農薬とも言われる。
    ⇒ ex. 天敵…チリカブリダニ(ハダニ類の卵を捕食)
       微生物剤…BT剤(害虫に寄生する細菌。 BT:Bacillus thuringiensisの略)


【農薬の残留基準の決め方】

1.動物実験で、無毒性量(NOAEL:No Observed Adverse Effect Level)を求める。

⇒無毒性量は、毒性試験においても何ら有害作用が認められなかった
 最大の暴露量。法定された全ての毒性試験でNOAELを求め、
 その中の最小値をADI設定のためのNOAELにします。

2.上記の無毒性量を安全係数(SF:Safety Factor)で割って、ADIを算出。


             ADI=NOAEL÷SF

安全係数…動物実験で求められた無毒性量から、ヒトのADIを求める際に使用する係数。
動物とヒトとの種差、ヒトとヒトの個体差(性別・年齢・健康状態etc.)を考慮。
通常、種差を10、個体差を10として、それらを掛け合わせた100を基本とする。

ADI(Acceptable Daily Intake:1日摂取許容量)
 …食品中に含まれる農薬を、ヒトが一生涯にわたり毎日摂取し続けても健康に害を及ぼさないと推定される、
1日あたりの許容量。 体重1kgあたりの物質量(mg/kg/day)で表わされる。食品安全委員会で決定。

3.農薬残留基準の設定

⇒ 1日あたりの国民平均農産物摂取量の中に含まれる残留農薬を推定し、
その合計がADIの80%を超えない範囲
(食品だけでなく空気や水からも農薬が体内に取り込まれる可能性があるため)で、厚生労働省が基準を設定。

  幼少児・妊婦・高齢者では食べ物の量や内容が異なるので、 この点も考慮。
また、農作物によって、摂取量や栽培に必要な農薬量が異なるので、農作物ごとに基準が設定されます。

4.農薬使用基準の設定

  農薬残留基準に基づいて、農林水産省が農薬使用基準を決める。
   (ex.適用作物、使用量、濃度、使用時期、総使用回数etc.)

  農薬の残留基準は、農薬使用基準を守り適切に使用していれば、
 残留基準を超えないというレベルに設定されています。
 それにより、 毎日の食事を通じて摂取する農薬の量がADIを超えないようにできるわけです。

 加工食品の残留基準値は、製造するために使用された農作物の量に基づいて
計算された基準値により判断します。
同種の商品でも原材料の比率・調理法が異なるため、加工食品に個別の基準値を設定するのは困難だからです。


【農薬の毒性】
農薬のリスクを考える際には、毒性の質と量を考える必要があります。

     リスク     =  毒性の強さ × 暴露量
  (危険性の程度)       (「質」)     (「量」)

毒性の強いものでも暴露量が少なければ無害になる可能性もあるし、
毒性の弱いものでも暴露量が多ければ有害になるおそれがあります。
農薬のリスクの適切な管理をするためには、「質」と「量」を勘案して評価する必要があります。

 また、全ての物質は、摂りすぎれば有害になります。
例えば、食塩のLD50(半数致死量)は、3g/1000g。
体重50kgの人が150gの食塩を一度に摂れば、死の危険があります。

リスクの原因は管理可能ですが、その確率は管理不可能です。
だから、安全性を高めるためには、原因を管理し、リスクの発生確率を
最小限に食い止める措置を取る必要があります。


【無農薬は安全?】
 もし、農作物を無農薬で栽培すれば、
ヒトは食品から毒素を摂取せずに済むようになるでしょうか?
答えは“否”です。なぜなら、多くの植物が外敵から身を守るために
他生物が嫌う天然毒素を生成しているからです。

また、天然毒素には、農作物に付着したカビから生成されるものもあります。
代表的なのは、主にナッツ類や穀物に付着するアフラトキシンから生成される毒素。
その中でも「アフラトキシンB1」は強い発ガン性物質を生成するので、
食品衛生法で食品中に検出されてはならないと定められているほどです。

また、無農薬志向の農業で農薬代わりに使用される場合がある「木酢液」。
これにも製造過程で有機化合物が生成され、その中に毒性が確認されているものもあります。
また、輸入品や粗悪品のなかには、日本では禁止されている農薬が混入している場合があります。
有機栽培をしていた農家が、この木酢液を使用したため、
有機認証を取り消されてしまったケースがあるそうです。

 無農薬で栽培すると、農薬由来の化学物質を体内に摂取するリスクは
低減しますが、天然毒素を摂取するリスクは増加してしまいます。
農薬は、使用方法を間違えるとリスクになりますが、
正しく使えば別のリスクを軽減するという側面を持っています。
場合によっては、農薬によって安全性が高くなるケースもあるわけです。


【リスクと向き合っていくために】
 農薬は、農作物を害虫の被害から守り、品質・収量を安定させ、
雑草防除による労働力の低減、かび毒等によるリスクの軽減させる効果があります。
その反面、動植物の体内や環境のなかで分解されず蓄積していく、
あるいは、複数の化学物質が混合することにより、
ヒトの健康や生態系に影響を及ぼす可能性を否定できません。
 しかし、100%安全な食品はこの世に存在しない以上、
「どこまでだったら許せるか?」というようにリスクと上手に向き合っていく方法を
私たちは考えていかなければなりません。

そのためには、食品の安全性に対する
          自分なりの判断基準を持つことが必要です。

 「安全性」の科学的根拠を理解し伝えていくことで、
食品の安全に関する情報を的確に判断できる生活者を増やしていけます。
化学物質に対する漠然とした不安感も取り除いていけるでしょう。
これも野菜ソムリエの大事な役割だと再認識する機会になりました。


゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.
※2009年5月11日 追記

日本ベジタブル&フルーツマイスター協会の公式HPに、
このレポートが掲載されました。

こちらをクリック してご覧ください。
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有機農産物についての勉強会・座談会【消えたレポート vol.1】

日本ベジタブル&フルーツマイスター協会ホームページのリニューアルに伴い、
旧レポートに分類されていたVMC講座のレポートが削除されました。
その中で、私が書いたものを『消えたレポートシリーズ』として、このblogに再度掲載します。

1回目は、野菜ソムリエ講座の講師であり、
有機JAS認定検査委員として活躍されている藤井淳生先生の
「有機農産物についての勉強会・座談会」です。

開催:2007年4月

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有機JASの登録認定機関である
「日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会(JONA)」から
藤井淳生先生をお招きして、有機JAS制度の内容やその課題、
検査の実態などについてのお話を聞きました。


≪有機農産物≫

有機農産物とは、自然の力を最大限に活かして生産された農産物。

以前は「有機」の基準が統一されていなかったので、
生活者が商品を選ぶ際に混乱を招きました。
平成11年のJAS法改正で有機農産物のJAS規格が制定。
「有機」「オーガニック」と表示できる農産物は、
有機JAS規格を守って生産され、
有機JASマークが付されたものだけに限られるようになりました。

有機農産物と呼べるのは、次の要件を満たしたものです。
■ 原則として、農薬や化学肥料を使用しない。
■ 種まきまたは植え付けの時点からさかのぼり2年以上
(果物などの多年生作物の場合は、最初の植え付け前3年以上)、
  禁止されている農薬を使用していない圃場(農地)で栽培。
■ 遺伝子組み換え由来の種苗を使わない。
■ 農林水産大臣に登録された認定機関の検査を受け、合格したもの。

有機JASの登録認定機関は、
■ 圃場が農薬に汚染されないよう対策が取られているか?
■ 衛生的に管理されているか?
■ 生産から出荷に至るまでの生産工程の記録を作成しているか?
■ 有機栽培をしやすい適切な品種が選定されているか?

などを調査し、生産農家が認定基準に適合しているか判断します。
生産農家は、認定を受けた後も、定期的に登録認定機関による検査を受けなければなりません。

驚いたのは、有機JASマークのラベル管理の徹底ぶり。
使用数、在庫数を正確に把握し記録する事が要求されます。
また、有機JASマークのついたダンボール箱から中身を取り出したら、
必ずマジックなどでダンボール箱の有機JASマークを消去が必要。
それは、中身がすりかえられるのを防止する為です。

「有機JASマークは、
厳しい生産基準をクリアして生産された事を示す証明書と同じ」


この認識を持ち、行動できるかが生産農家に問われます。


≪有機農産物と農薬≫
有機農産物は農薬を使用しないのが大原則ですが、
例外的に使用できるケースがあります。
それは、有害動植物による作物の被害が甚大で、
通常の有機農法による防除法のみでは効果的に防除できず、
このままでは圃場が維持できないという事態になった場合。
使用が認められているのは、
有機JAS規格の別表2に記載されている農薬だけです。
つまり、有機農法の範囲内で最大限手を尽くしたけれど、どうにもならない時、
有機農産物の国際規格に準じた限定された範囲の農薬のみ使用が許可されるわけです。
例外として農薬使用できるといっても、厳しい条件が課されています。


≪有機農業を推進する意味≫
日本において有機農産物に期待されているのは、
「安全性や栄養価が高いのではないか?」という事。
しかし、日本で認可されている農薬は、使用法を遵守すれば、
人間の健康被害をもたらすほど農作物に残留するものは無いと考えられています。
だから、一般的に流通している野菜(慣行栽培・特別栽培・有機)
における農薬の安全性は、ほぼ同等なのだそうです。
また、有機農産物だから必ず美味しいという訳ではなく、
味や栄養価は、生産者の技術や天候などの要因によっても左右されるでしょう。

では、有機農業を推進する意味は何でしょう?
それは、次世代へ農業を継承していくために、優良な環境と農地を保全していく事です。

生産効率や外観上の品質など一部の要素だけ重視して化学肥料・農薬の使いすぎた結果、
地下水・河川を汚染などの環境悪化を進めただけでなく、
農地の地力を低下させてしまいました。
また、化学農薬を使い続けると薬剤に耐性を示す病原菌・害虫・雑草が出現し、
農薬そのものの効果がなくなるため、
さらに強力な農薬が必要になるという悪循環を引き起こしました。

ゆえに、堆肥等による土作りを行い、
化学肥料や農薬を使うとしても効率的に利用し、
環境への負荷を減らす農業が求められるようになったのです。
有機農業は、その流れの受けて広がりつつあるものの一つと言えます。

しかし、課題がたくさんあります。
■生産支援が不十分
   生産技術の研究・開発が遅れている。
   病害虫などによる品質・数量の低下が起きやすい。
   また、昔ながらの技術が存在したとしても伝承されない。
■非効率な圃場の配置
   たとえ有機農法で生産していても、
   周囲の圃場で農薬が使用されているため農薬の飛散が
   防げず、有機JASの認証が取れないケースが多い。
■市場がまだ小さい                      …など。

これらの課題を解決するために、平成18年12月に
成立・施行された有機農業推進法への期待が高まっています。

日本の有機農産物に対する生活者の理解が深まり普及していけば、
食糧自給率を上げるだけでなく環境保護に協力することにもなります。
有機農産物を育てるには手間がかかるので生産コストが高いうえ、
良品率が低いという事もあり、慣行栽培の農作物より価格は高くなりがちです。
でも、その差額を「国土・環境保全のための投資」と考える人が増えれば、
この流れは広がっていくだろうとの事でした。

藤井先生のお話を聞いて、有機農産物の新たな側面を見ることができました。
また、エコロジーと農業は、様々なところで結びついている事も。
例えば、「地産地消」は、その地域で生産された産物をその地域で消費する事で、
地域の生活者と生産者を結びつけるだけでなく、
農産物を消費地へ運ぶ余分なエネルギーも節約できるという事など。
農業に関する新たな視点を見つける機会になりました。

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プロフィール

平田 実

Author:平田 実


日本野菜ソムリエ協会認定
■ 野菜ソムリエ (中級・緑)
■ ジュニア・アスリート
     フードマイスター

 子供の頃はかなりの偏食。
「サラダを食べなさい
   なんて言う人は鬼!!」
そう思ってました。
 それが今では野菜ソムリエ。
人生、何が起こるか分からない
ものです。

 四季折々の素材の味とハーモニーを楽しんだり、食に携わる人達と交流ができたり。
 好き嫌いを減らして色んなものが食べられるようになる楽しさを多くの人達に感じて欲しいと考えています。

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筆者より

ここは、私の食関連レポートの公開書庫。
野菜・果物、素敵なレストラン&カフェ、スポーツ栄養学etc.について、
私自身が、「将来、もう一度読み返したい」と思えるような文章を書けたときに掲載していきます。
更新頻度は、年に数回程度になると思いますが、気が向いた時に遊びに来ていただければ幸いです。

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